AIに文章を直してもらうときは、「読みやすくする」前に、変えてよい範囲を決めます。誤字の修正、文体の統一、内容の書き換えを分けて頼み、変更後の文章を原文と比較すれば、意味が変わった箇所を見つけやすくなります。
ここでは本記事用の短い教材を使います。校正ツールの順位や精度を比較する記事ではなく、ChatGPTやClaudeなどに文章の修正を依頼する手順です。
誤字を直すのか、内容まで書き換えるのか
「校正してください」には、さまざまな期待が含まれます。最初に対象を限定します。
| 作業 | 依頼する内容 | 人が見る箇所 |
|---|---|---|
| 誤字・脱字 | 明らかな入力ミス | 固有名詞を誤字扱いしていないか |
| 表記の統一 | 決めた表記にそろえる | 指定の用語を守っているか |
| 文体の統一 | ですます調などへ整える | 語尾だけで意味が変わらないか |
| 読みやすさの調整 | 長い文を分ける | 条件や例外が落ちていないか |
| 内容の編集 | 構成や主張を見直す | 事実・根拠が追加されていないか |
使うツールを選ぶ段階なら、AIライティングツールの比較も参考になります。どのツールでも、修正の範囲を明確にすることは共通です。
原文と、変えない条件を一緒に渡す
次は架空の案内文です。
お申し込みは11月10日までとなります。定員に達した場合は、期限より前に受け付けを終了します。参加する方は、当日に筆記用具をご持参くだささい。
この文には誤字がありますが、締切と早期終了の条件も含まれます。短くしようとして後者を削ると、案内の意味が変わります。
次の案内文を校正してください。
対象:誤字、脱字、不自然な重複。
変えないもの:日付、定員に達した場合の条件、持ち物。
新しい条件や事実は追加しないでください。
出力:修正文、その後に「変更前/変更後/理由」の表。
意味の判断が必要な箇所は、勝手に直さず確認事項にしてください。
教材の最小限の修正は、「ご持参くだささい」を「ご持参ください」にすることです。ほかの表現も変えたければ、最初の校正を確認した後で依頼できます。
読みやすさを整える依頼は、次に分ける
最初の修正が確認できたら、文の長さや重複を調整します。
次に、案内文を読みやすく整えてください。
意味、日付、条件、持ち物は維持してください。
短くするために、早期終了の条件を省略しないでください。
修正した文と、維持した条件の一覧を示してください。
本記事で用意した見本:
お申し込みは11月10日まで受け付けます。定員に達した場合は、期限前に受け付けを終了します。当日は筆記用具をご持参ください。
「締切前でも終了する可能性」と「持ち物」が残っています。文章が流暢でも、元の条件が一つ落ちていれば、そのまま採用しません。
曖昧な文章は、確認事項として残す
次の一文を考えます。
A案をB案より先に確認する担当者へ送ります。
この文だけでは、誰が何を先に確認するのか、何を送るのかが分かりにくい場合があります。AIが自然な一文に直せても、それが書き手の意図と一致するとは限りません。
この文の解釈が分かれそうな箇所を示してください。
一つの意味に決めて書き換えず、確認すべき質問を挙げてください。
私が意図を答えてから、修正文を作ってください。
曖昧さが内容に関わる場合は、入力する人が意図を確定させます。校正と事実確認を一度にAIへ任せないほうが、判断した箇所を追いやすくなります。
固有名詞と数字は別に確認する
自然な日本語に直す過程で、専門用語や商品名が別の一般語に置き換わることがあります。変更禁止の用語一覧を付ける方法が使えます。
次の表記はそのまま残してください。
・正式なサービス名
・資料中の項目名
・引用文
数字、単位、日付を変更した場合は、変更理由を別に示してください。
根拠がない数値修正は行わないでください。
確認では「以上/超」「未満/以下」「まで/から」「必須/推奨」にも注目します。言い換えで対象が変わるためです。数字や出典の確認はAIのファクトチェックも参照してください。
よく使うルールを短い指示にまとめる
文体や禁止表現が毎回同じなら、短い指示として保存できます。GeminiのGemsやChatGPTのカスタム指示も選択肢です。
ただし、校正用のルールをすべての会話に適用すると、別の用途で邪魔になることがあります。文書ごとに違う条件は、その場の依頼へ残します。
完成した文章だけを見るのではなく、どこをどう直したかを比べる練習から始めてください。仕事の文章でAIを試す方法を学びたい方は、RIALAをご覧ください。
参考情報
公式情報の確認日:2026年10月27日。原文・修正例は本記事の教材で、実在の案内や特定モデルの出力ではありません。