AIで作業が短くなったかは、回答が出るまでの速さだけでは判断できません。入力の準備、回答の確認、手直しまで含めた合計時間と、完成物の品質を同じ条件で比べます。まずは一つの作業を選び、普段の方法とAIを使う方法を記録してみましょう。
このページには、表計算ソフトへコピーできる記録表と計算例を用意しました。掲載する時間は計算を説明するための架空データであり、実測結果や一般的な効果ではありません。
比べる作業と、終わりの条件をそろえる
「仕事全体が楽になった」では、どこに効果があったか分かりにくくなります。「会議メモから決定事項と宿題を取り出す」「短い案内文の誤字を直す」など、開始と終了が分かる作業を選びます。
たとえば議事録の整理なら、次のように条件を決めます。
- 入力は同じ長さ・同じ難しさの会議メモにする
- 出力は決定事項、担当者、期限の表にする
- 原文にない決定や担当者を足していないことを確かめる
- 確認と修正が終わった時点を作業終了にする
題材は議事録からタスクを整理する練習のような架空メモでも構いません。仕事の情報を外部サービスへ入力できるかは、測定とは別に確認します。
同じ素材を二度処理すると、二回目は内容を覚えていて速くなることがあります。最初の比較は操作練習と考え、その後は似た条件の別の素材でも記録してください。少数の結果から「どの作業でも何割短縮」と広げないことが大切です。
準備・生成・確認・修正を分けて記録する
手作業でもAI利用でも、入力を開いて着手してから、使える完成物になるまでを測ります。AIを使わない方法の「生成待ち」は0分にできます。本人が文章を書く時間は「作成・生成」の欄に記録します。
| 日付 | 作業・条件 | 方法 | 準備(分) | 作成・生成(分) | 確認(分) | 修正(分) | 合計(分) | 品質確認 | 気付いたこと |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 記入日 | 素材の長さなど | 普段の方法 | |||||||
| 記入日 | 同程度の素材 | AI利用 |
「作成・生成」は作成操作と回答待ちを合わせた経過時間です。必要なら、待ち時間を別の列に分けても構いません。同時に別の仕事をした場合は、そのことをメモします。経過時間と、自分が手を動かしていた時間を混ぜないためです。
道具の起動や最初の設定に時間がかかった場合も記録します。一度だけ発生する設定時間と、毎回かかる時間を分けると、繰り返し使う際の負担を考えやすくなります。
架空の数字で、合計時間を計算する
次は計算用に作った例です。
| 方法 | 準備 | 作成・生成 | 確認 | 修正 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 普段の方法 | 2分 | 12分 | 4分 | 2分 | 20分 |
| AI利用 | 4分 | 2分 | 5分 | 3分 | 14分 |
この例では、差は20−14=6分です。普段の方法を基準にした短縮率は、6÷20×100=30%になります。
合計時間 = 準備 + 作成・生成 + 確認 + 修正
短縮した時間 = 普段の方法の合計 − AI利用の合計
短縮率 = 短縮した時間 ÷ 普段の方法の合計 × 100
普段の方法の合計が0分の場合、上の短縮率は計算できません。AI利用の方が長ければ、差と短縮率はマイナスになります。
この架空例でも、作成・生成だけなら10分短く見えますが、合計の差は6分です。確認や修正を除くと、効果を大きく見積もってしまいます。
時間と同じ欄で、品質の合否も残す
速く終わっても、重要な条件が抜けていれば、その完成物は比較に使えません。作業を始める前に合格条件を決めておきます。
| 確認すること | 議事録整理での合格条件の例 |
|---|---|
| 情報の正確さ | 決定と提案を区別している |
| 抜け漏れ | 原文の決定事項を落としていない |
| 勝手な追加 | 担当者や期限を推測していない |
| 使いやすさ | 指定した表の列に整理されている |
不合格なら、合格するまでの修正時間を足します。直せずに採用をやめた場合は、「不採用」と記録し、短縮の成功例として数えません。不採用でも費やした時間は残します。手作業で作り直した場合は、その時間も加えて完成までの合計を比較します。
文章の点検方法はAIによる文章校正の進め方でも扱っています。誤りや根拠の確認にはAIの回答をファクトチェックする方法を参照してください。
集計をAIに頼む場合も、元の表を残す
ChatGPTは、表の分析や計算の補助にも利用できます。記録を渡す場合は、業務名や顧客名を匿名化し、必要な数値だけに絞ります。
以下の作業記録を集計してください。
各行の合計を再計算し、記載された合計と一致するか確認してください。
普段の方法とAI利用を、同じ作業・同じ品質条件の組だけで比較してください。
空欄を0として扱わないでください。
不採用の件数と所要時間を別記してください。
作り直して完成した作業は、失敗分を含めた合計時間で比較してください。
未完了・比較相手なしの記録は短縮率を計算せず、理由を示してください。
短縮した時間と計算式を出してください。
AIの出した合計も、表計算ソフトや手計算で照合します。空欄、0分、未測定は意味が異なります。測っていない値を都合よく埋めないでください。
次に直すのは、時間がかかった一工程
確認に時間がかかったなら、出力へ原文の該当箇所を付けてもらう。入力の準備が長ければ、繰り返し使う指示を整理する。記録を見て、一つずつ改善します。
使う目的や条件を固定する方法はカスタム指示の設定例でも紹介しています。数回の試行で扱いやすい手順が見えたら、別の作業にも応用できます。
個人の学習や仕事への取り入れ方を整理したい場合は、RIALAをご覧ください。
参考にした公式情報
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